AMINO EVIDENCE

アミノエビデンス

【スポーツ】運動時の効果的ダイエット

大学女子陸上選手のアミノ酸摂取研究

トレーニングによって絞り込まれたスポーツ選手の身体には余分な脂肪がほとんどない場合が多いが、体質によってはたえずダイエットに苦労している選手もいる。そこで、一般的に体重・体脂肪のコントロールが難しいとされる大学女子陸上部選手を対象にして、アミノ酸摂取によってどのような効果が得られるかについて研究した。

ワンポイント解説

かつて馬軍団率いる中国の女子マラソン選手は1,000kmから、多いときは1,200kmを月間に走行していた。これに耐える体作りのために3,500〜4,500kcal/日のエネルギーを食事から摂取しているという報告がある。日本の女子マラソン選手はというと、太りたくないからと言って「ダイエット」しているのである。「体重が軽い方が有利である」と考え、運動量に比較して摂取カロリーが少ない傾向にある。その結果、体タンパク・骨格筋などもエネルギー源とするため分解してしまう。これにより栄養不良、免疫能・肝臓機能低下状態、貧血などに陥り、故障や怪我につながる可能性が高くなると考えられる。

アミノ酸一口メモ

エビデンス

[結果]
1)平均体重は摂取直前46.8kgから1カ月後には45.9kgまで有意に滅少し、平均体脂肪率は摂取直前14.8%から1カ月後には14.2%まで有意に低下した。

2)GOT値、クレアチンキナーゼ(CK)値は2カ月後に摂取直前および1カ月後に比べて有意に低下し、一方、総タンパク、赤血球、ヘモグロビンは2カ月後に摂取直前に比べて有意に増加した。

[考察]
陸上長距離選手は体重、体脂肪ができるだけ少ない方が身体への負担が少なく、それがパフォーマンスの向上につながる重要な条件となる。今回、体重、体脂肪のコントロールが難しいとされる大学女子陸上部選手にアミノ酸を摂取してもらった結果、上記のように体重および体脂肪率が有意に減少した。そして2ヵ月後にもリバウンドが起きず、良い状態を維持することができたのは、アミノ酸を摂取して持久運動を継続することによる効果と思われる。血液指標では、GOTが大幅に下がったことは、過酷な練習による慢性的な肝機能への負担がアミノ酸の摂取によって軽滅したことを示している。また、CK値が低下したことは筋肉の炎症からの回復が早いことを示唆している。一方、総タンパクの増加は栄養状態の改善を示し、赤血球やヘモグロビンが増加していることは、酸素運搬能力のアップが期待でき持久運動能力向上が期待できる。女子選手たちのほとんどが、アミノ酸摂取前よりコンディションが良くなり疲労回復が早いと体感しているが、これは血液指標の改善からも示唆された。実際にパフォーマンスがアップするかについては更なる検討が必要である。
文献
1)Mawatari K, et al: The 10th congress of the international society for biological research on alcoholism, 2000.
2)Harper AE: Ann Rev Nutr 4:409-454, 1984.
3)Maezono K, et al: Hepatology 24(5):1211-1216, 1996.
4)Maezoro K, et al: Hepatology 24(1):185-191, 1996.
5)Ishizaki-Koizumi S, et al: Biochem Biophys Res Commun 291(4):738-743, 2002.

出典:「アミノエビデンス255―なぜ効くのか・何に効くのか」